自閉症に関する本を読みました その1
自宅近くの梅の花、金曜日にはまだ開花していなかったのですが、今朝通りかかった時には2分咲きになっていました。
きれいな花を見られるのは嬉しいけれど、「もうすぐ散っちゃうのね」とも思ってしまう、ネガティブな私です。
さて、アトリエ渋谷には、自閉症の当事者K木さんが在籍しております。
彼とこれから仕事する上で、なにか役立つ情報があったら良いと思って、自閉症関連の本を2冊読んでみました。
どちらの本の著者も、「自閉症の症状の現れ方は実に多様で、ひとりひとりにあった対応法を考えていく必要がある」ということを、強調されています。
本を読んだからといって、100%正しい対応をとれるなんてことはありませんよね。
でも、大まかな傾向や当事者の方が抱えがちな困難といった知識が、役に立つ局面もあるかも知れないと思い、読んでみました。
一冊目は、自閉症の療育に長年関わってこられたお医者さんの著書。
なにか「とりあえず知りたい」となった時、岩波新書はやっぱり強い味方です。
どちらかというと、子供の療育について詳しく書かれている本でしたが、非常に分かりやすくて誠実な一冊だと思いました。
文中で著者が繰り返し言及しているのが、当事者の「セルフ・エスティーム(自己肯定感)」を大切に育んで欲しいということ。
これは、私みたいなうつ病患者にもあてはまるな、と思いました。
いや、大きな障碍のない人にとっても大切ですよね、自己肯定感。
いきなり難しい課題に挑ませるよりは、ひとつひとつ小さなハードルを越えて行くことを繰り返して、達成感を感じてもらうことが、望ましいそうです。
その他にも、出来るだけ目線の高さを合わせて話しかけるとか、「見ればわかるだろう」という考えをせず出来るだけ具体的な指示をするなど、自閉症を持つ人と接するうえでのヒントになりそうな記述が数多くありました。
また、ASD(自閉症スペクトラム障害)はその人のすべてではないという記述には、おおきくうなずきました。
電車が好きだとか、お散歩が好きだとか、その人を構成する情報の一つとして、障碍も捉えることが出来るようになると、いいですね。
少し長くなってしまったので、もう一冊の本については記事を改めます。
- 作者: テンプルグランディン,Temple Grandin,中尾ゆかり
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2010/04
- メディア: 単行本
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