重版未定
靖国通り沿いの「コミック高岡」さんで、おすすめされていた一冊。
あれ!? 出来じゃなくて未定なの!? と思って手に取ったところ、
「そんなに刷ってどうするの?」「本なんて売れるわけないだろう」と、胸に突き刺さるフレーズが……
おもわずレジに運んでしまいました。
主人公は、社員6人の出版社に勤める編集者。
最初の台詞が「入稿まであと2時間……間に合わない」とある通り、
毎日忙しく働いている(小さな会社なので、客注文の対応や、書店営業もこなす)のですが、
編集した本は、なかなか売れてくれない。
そんな日々の葛藤が、脱力感あふれる絵柄で綴られてゆきます。
特筆すべきはこのコミック、編集者の仕事や専門用語の解説が非常に充実していて、読んでいるうちに自然と編集に関する知識が身に付く作りになっています。
この解説が、現役の編集者である著者の実感に基づいた解説なので、具体的なイメージがつかみやすいのも美点です。
私は、書店員→デザイン会社という経歴で、そのあいだに入る編集者さんのお仕事については、わからないことだらけだったので、非常にためになりました。
そうか、「白焼きで修正」ってそういう意味だったのか……
著者は、“本書を通じてより「編集者」に興味をもってもらえたらとも思います”と書いていらっしゃるのですが、その目的は達しているのではないでしょうか。
オススメの一冊です!