あとしぶ日記2019

デザイン会社アトリエ渋谷のブログです。障害者雇用に取り組んでいます。

本の町

 先週の金曜日に始まった「神田古本まつり」が、いよいよ今週の土曜日曜でフィナーレです。

 

 なかなか天候に恵まれず、せっかくの露天がビニールシートで覆われている時間が長かったのは残念ですが、

町にいつもより活気があり、表に出ると本の匂いがしてきそうな雰囲気なのは、さすが世界一の本の町だなあ、と言った感じでした。

 

 私も、何度か露天を冷やかして「ああ、この本読みたいなあ」という本も何冊かあったんですが、今のところ釣果(自分のモノにした古本を、こう呼んでいるのです)はゼロ。

露天から恐る恐る本を抜き出し、さあ、お会計という段になると、もうひとりの私がこう囁くのです。

「この本を買ったら、積ん読本(所有してはいるものの、読んでない本のことです)がまた増えるよね、止めておきなさい」

 

 そう、神保町で働き始めてはや9ヶ月、町にあふれる本達の誘惑に抗しきれず、買ってはみたものの読んでない本が大量に積み上がっているのです。

 

 「読むために本を買っているうちは、まだまだ古本道の初心者」

「読了した本だけでなく、未読の本も、その人の知性を形作っている」

……本好きの先人達は、こんな格言(というか、居直り)を口にしますが、

広いとは言いがたいアパート住まいの身には、そんな贅沢なかなか出来ません。

 

 でも、新刊流通に載っている本はまだしも、古本屋の本との出会いは一期一会、

ここで縁をつないでおかないと、その本を読むことは二度と出来ないかも知れないのです。

買っても積んで置くだけで読んでないじゃん、という突っ込みは無しの方向で……

 

 こう書いているうちにも、「やっぱり、あの本買っておけば良かった」と言う気持ちがむくむくとわいてきちゃいます。

もう一度だけ、あの露天を見に行こうかなあ。

まだ、あの本が残っていたら、それって運命ですよね。

 

 

紅茶を受皿で―イギリス民衆芸術覚書

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