悩んでいます
金曜日の仕事後、「たまには、裏道を通って帰るべえ」ということで古本屋さんを冷やかしながらぷらぷら歩いておりました。
立ち寄った古本屋さんで、やや投げやりに積んであったのが、ちくま文学の森16巻セット。
筑摩書房のこのシリーズには、10代の頃にとてもお世話になっていて、サキ、ロアルド・ダール、辻まことなど、このシリーズがきっかけで知った作家も多いのです。
そんな思い入れのある書籍が、神保町の片隅でひっそりとほこりをかぶっている、
恐る恐る値札を確かめてみると、なんと16巻そろいで3,000円台!
「買える、この値段だったら買える」と、一瞬レジに持って行きそうになったのですが、よくよく考えてみると単行本を16冊も置く場所がない。
私は、書店員時代に「大量の本は凶器になる」と言う事を思い知っていますし、もともと読了後の本にあんまり執着がなくて、定期的に処分するようにしています。
それでも、どうしても手放したくない本や未読の本が増えてしまって、狭い自宅をおおいに圧迫しています。
一応、大きめの本棚をひとつ持っていたのですが、ぎゅうぎゅう詰めの過積載に耐えかねた本棚は、崩壊。
仕方がないので、段ボールに本を詰めて積み上げてしのいでいるしまつ。
どう考えても全集本を置いておけるような余裕はないのです。
そもそも、買っただけで満足して、あんまり読まない気もしますし。
でも、あの偶然の出会いには大げさだけど運命を感じてしまっているのです。
「広い家に引っ越したいなんて贅沢は言わないけど、せめてもうひとつ本棚が使えればなあ」と、考えてもせんないことを考えつつ、まだ迷っています。